カフェくばま(cafe KUBAMA)と、パワー オブ タイムな日々つれづれ･･･(￣∀￣)

(これは前の記事の続きです。第一話から読んでください)




翌日、雨は上がっていた。


街中の人々は誰ひとりと傘を持っていない


そんな中


僕だけが真っ赤な傘を持っていた。


仕事場に着き、ちょうど彼女がいたのでお礼を言い傘を返した。


彼女の名前を聞いたら


｢茸(たけ) とも子だよ、茸はキノコの茸だからね。｣


僕は珍しい名字だねって言うと


とも子は、よく言われるって笑っていた


でも、昨日のような元気はなかったような気がしたんだ


仕事も終わり、帰ろうとすると、また雨が降っていた


またか…


けっこう大雨だったから、少し雨が弱くなってから帰ることにした


しばらく待っていると、赤い傘を持ったとも子が歩いてきた


｢お疲れさま、ホントよく降るね｣


そう言ったとも子は明らかに具合が悪そうだった


｢大丈夫？昨日傘借りてしまったから風邪ひかせちゃったよね｣


そう僕が言うと


｢大丈夫。防水なんだけど、フタが開いちゃって…｣


と、また不思議なことを言っていた。


２人とも風邪ひいてるし、雨も弱くなってきたから２人で一本の赤い傘をさして帰ることにした。


こんな風に女の子と歩くのには慣れてなかったから、少しドキドキした。


このとき歩きながらいろんなことを話した


僕が雨ふってイヤだねって言っても


彼女は


｢明日から一度も雨降らなかったら、君も私も多くの動植物たちもみんな死んじゃうよね。


だから雨降るってとても大事なことなんだよ。｣


って言うんだ。


なるほどな、いつも自分は自分の都合しか考えていなかったんだなぁって思った。


それに、こうやって２人でいろんな話ができることは雨のおかげなんだなって


さっきまでイヤだった雨が


楽しい出来事に変わっていた。




とも子と出会い、僕の中で何かが変わり始めてきたんだ。




つづく…